お仏壇の修理・リフォームお洗濯

翠光堂でお仏壇・仏具のお修理・補修・リフォームをさせていただく場合、全工程を国内工場で行います。

お仏壇のお修理(お洗濯)には様々な方法があります。
翠光堂では出来る限り、昔にご購入された時のお仏壇の姿に戻すことを基本と考えています。
ただ、お洗濯修理の仕上げ方法は一通りではありません。
「予算が無いから工法にはこだわらないので、とりあえず綺麗にして欲しい」
「せっかくお金をかけて綺麗にするので、この機会により上質なお仏壇にしたい」
「今のお仏壇は派手なので、もう少し落着いた雰囲気にして欲しい」
「漆は本漆を使って、金具は手打ち金具にして欲しい」
「金箔の質にこだわりたい」
「蒔絵を伝統工芸の作家さんにお願いしたい」
「今のお仏壇の大きさでは新しい家に入らないので、寸法を小さくして欲しい」など
お客様のお話を細かくお聞きし、ご要望に合った何通りかのお見積もりをご提案させていただいております。

金仏壇のお洗濯作業工程

お洗濯前 Before

お客様からお預かりしたお仏壇を様々な職人の手により、新品同様に蘇らせていきます。

解体したお仏壇から金箔と塗りを丁寧に剥がしていき、木地の状態まで戻します。 その段階で反りや割れなどがあれば、修正していきます。

職人がひとつひとつ丁寧に、お仏壇をいためないように部品を取り外して解体していきます。

お洗濯後 After

各工程で仕上がった部品を熟練された職人の手で元の姿に組み直していき完成します。

修正された木地・彫り物などに塗り職人が下地を施し、漆(またはカシュー)で中塗り上塗りと塗り重ねて部品ごとに丁寧に仕上げていきます。

下地を施した部分に箔押し職人が金箔を押し、余分な金箔は払って仕上げます。また蒔絵職人が塗りの部分に蒔絵を描いていきます。

金箔について

金は非常に薄く延ばすことができ、金箔はその薄さおよそ1万分の1~1万分の2mm。
向こう側が透けるほどたいへん薄く、わずかな風でもとんでしまい、直接指では扱えません。
そしてひとくちに「金箔」といってもさまざまな種類があります。金箔は、金をベースとして微量の銀と銅を配合してつくられるのですが、その合金配合率によって色味が異なり、特に製法によって
・ 縁付(えんづけ・えんつき)
・ 断切(たちきり)

の2種類に大きく分けられます。

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手すきの雁皮紙(がんぴし、和紙の一種)を約半年間の手間暇をかけて仕込んだものを箔打ち紙に用いる古来よりの伝統製法です。
箔打ち紙によって箔の品質が決まるともいわれます。
打ち上げられた箔は、革板の上で一枚ずつ竹枠をあてて裁断され、一枚ごとに和紙に移して仕上げられます。
「断切」に比べ、より薄く延ばすことができる為、箔同士の境目が目立ちにくく、また和紙のやさしい風合いが加わります。
約四百年以上の伝統と実績があり、高級工芸品や金閣寺をはじめとする重要文化財の修復には「縁付」が使用されています。

本漆・カシューについて

■本漆
天然の漆の木の樹液から作られる塗料のため、有害物質を含みません。
また、年月が経つほどに滑らかで深みのある美しい艶を増していき、硬くなっていきます。
法隆寺、東大寺正倉院などの宝物が千数百年もの長きにわたり未だに堅牢性を保っている ことが本漆の驚異的な耐久性を物語っています。
塗布に際しては熟練された技術と手間暇が必要なうえ、塗料としてはたいへん高価な為、大量生産には向いておりません。

■カシュー
カシューナッツ(漆科)の実の殻から抽出された油を主成分にして作られています。
多少の有機溶剤も必要なため、完全な天然塗料とは言えませんが、本漆に引けを取らない滑らかで美しい艶、光沢があります。
まだ使用されて数十年と歴史も浅いですが、本漆ほどではないにせよ堅牢性も十二分にあり、なにより本漆に比べて安価で吹き付け塗装などができる点で優れています。
近年では本漆の代用品として多岐にわたり使用され、お仏壇に関しても、一部の高級品をのぞき、カシューが多く使用されております。

唐木仏壇のお洗濯作業工程

各工程で仕上がった部品を熟練された職人の手で元の姿に組み直していき完成します。

お洗濯の施工例

上記はほんの一例です。他にも数多くの実績があるからこそ、クオリティの高い仕上りを皆様に自信を持ってご提案いたします。