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伝統工芸士さんの工房を見学させていただきました。 ~翠光堂仏壇店~

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先日、伝統工芸士の方々の製作現場を見学に、お仏壇の施工主様と一緒に広島まで行って参りました。


金箔を押している工房です。
金箔は厚さがミクロン単位のため、鼻息でもめくれ上がってしまうので、取り扱いには十分な注意が必要です。
熟練された技術の職人さんが次々と金箔を押していきます。


宮殿(くうでん)と呼ばれるお仏壇の中身の屋根部分などを作られる宮殿師(くうでんし)さんの工房です。
各パーツが細かに分かれるように作られていて、完成した屋根を次の職人さんが分解して金箔押しまで仕上げてまた組上げる為、たいへんな手間がかかります。
海外などで作られる物は組上げた状態で金箔押しまで行うため、細部にまで金箔がきっちりと押されていない状態の物も多いそうです。

のこぎりの歯だけでも様々な種類の物が沢山置いてあります。

細部の見えにくい場所にまでこだわり、手間暇かけて作られる様子は伝統工芸士さんの職人の心意気を感じる部分でした。


仏壇本体の木地を作製する木地師(きじし)さんの工房です。
様々な種類の鉋(かんな)が置いてあります。

この角材一本に各パーツの目盛りが書いてあり、これ一本ですべての部品を作るとの事で、昔ながらの職人さんはこれを定規と言って使っているそうです。


これは膠(にかわ)です。
昔ながらの手法で接着には膠を使用して環境に優しいお仏壇作りをされている所も、伝統工芸士さんのこだわりを感じます。

各工程を拝見して、お仏壇の物造りに対する奥深さを実感できました。また施工主様も喜んで頂けたご様子で本当に良かったです。

お仏壇に限らず海外製品が押し寄せる中、こうした伝統工芸品の造り手も数少なくなってきているのが現状で、伝統工芸士の方々もそれを残念そうに語られていました。

翠光堂はこれからも伝統工芸士の方々と一緒に国産品にこだわり続け、手間暇かけた伝統文化を後世に残していけるよう尽力したいと思います。

伝統工芸士の皆様、たいへん勉強になりました。ありがとうございました。