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日別アーカイブ: 2014年4月25日

「腹籠もりのお聖教」翠光堂仏壇店

こんにちは。翠光堂淡路駅前店です。

先日、いつもお世話になっているお寺様と蓮如上人のゆかりの北陸の本向寺に行ってきました。

本向寺の五代目住職【本向坊了顕】は、吉崎にご逗留の蓮如上人にお仕えしていました。

文明6年(1474年)の3月に本坊にて大火事がおきました。

蓮如上人が大切に拝読されていた教行信証の『証』の巻が書院に残されていることを知った了顕は、

蓮如上人や側にいた人たちの制止を振り切って燃え盛る火中に飛び込みます。

了顕がやっとの思いで書院に辿り着くと、『証』の巻は、まだ燃えずに机の上にありました。

『証』の巻を手にし脱出しようとするのですが、もう火が四方に廻り行く手を遮ってしまいました。

「ようやく手にしたお聖教、我が命に代えてもお護りせねば」と、

決死の覚悟で自らの腹を切り割き、身体の奥深くに『証』の巻を押し込めます。

吉崎御坊を焼き尽くした猛火が収まり、その焼け跡から『証』の巻をしっかりと抱いた了顕の遺体が発見されました。

蓮如上人は涙ながらに了顕の顔を撫でると、それまで見開いたままの両眼を優しく閉じたと言い伝えられています。

その後、了顕の「お念仏の力」によって奇跡的に『証』の巻の焼失を免れたので「腹籠もりのお聖教」として伝わっています。

先人の命がけの努力によって、み教えが今日まで伝えてくださったことに、

改めて感慨深い思いをさせて頂きました。