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日別アーカイブ: 2025年11月9日

手塚治虫ブラック・ジャック展~大阪の国産仏壇専門店・翠光堂~

こんにちは。翠光堂です。

現在、あべのハルカス美術館で催されている「手塚治虫 ブラック・ジャック展」に行ってきました。

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エレベーターを降りたら早速フォトスポットが用意されていました。横に白衣やパジャマがレンタルされていたので、手術助手や患者になりきって写真が撮れます。

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このキービジュアルを見ていて、大阪はまだかまだかと待ち望んでいました。

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展示室に入ってすぐの第一展示室のみ写真撮影可能。主要キャラクターの紹介がされています。上の画像はブラックジャックとおくたんのピノコ。

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Dr.キリコ。安楽死の必要性と正しさを信念とする医師。呼吸中枢をマヒさせる超音波の装置や、薬物を使用する。その信念は、軍医時代「戦場で手足をもがれ胸や腹をつぶされてそれでもまだ死ねないでいる悲惨なけが人をゴマンと見たんだ」と語る凄惨な体験から来ている。ブラック・ジャックと相反するキャラクターでありながら、医学の限界、医師が果たすべき役割といった、手塚治虫が伝えたかった永遠の命題を際立たせる最も重要なキャラクターの一人。「手塚治虫公式HPより」

子供の頃は、ヒールな印象で、怖い人と思っていたけど、大人になるとキリコの存在の大きさがわかってきて、この人が言っている事がずっしり重く、全部否定できるものではない事を気づかされます。

手塚治虫がブラック・ジャックを執筆した経緯などが紹介されたブースでは、手塚治虫自身が医学生だった頃に描いた細胞のスケッチなどがあったんですが、それのクオリティの高さがまた凄い。この画力があるからこそ、ブラック・ジャックの世界がよりリアルで真実味のある漫画に仕上がったんだなぁ~と感じます。

現代では、CGさらにはAIで人体解剖図をイラストにすることは、高いクオリティの物が思いのほか簡単に行えます。でも複雑に絡まる人体の中身を、今どこを見せたいかを的確に浮かび上がらせ、更にそれが白黒の手描きとなると、その画力の凄まじさを感じずにはいられません。

B・J曼荼羅と題されたブースでは、テーマに分けられ抜粋されたエピソードが、生原稿と共に展示されています。今ならデータ上でスッと消して書き換え可能なのでしょうが、当時はその部分を切り抜いて、新しい絵を貼り付けたりして修正されているのがよくわかります。その生原稿をじっくりみながら、セリフを読んだりしているから、むちゃくちゃ時間かかりましたw

ブラックジャックは従兄の部屋に山積みにされていて、小さいころ泊まりに行った時にいつも読み漁っていました。一話完結で刊を飛び越えても気にせず読めました。今なら削除されそうなグロイ描写も沢山あったけど、気にせず読めました。多分これも手塚治虫の絵の力。ブラックジャックは、人間として何が大切かを教えてくれるものがギッシリ詰まった作品。今回の展覧会で改めてその偉大さを実感し、読み漁っていてよかったと思いました。

およそ50年前の作品なので、「歴史」の様な事件やエピソードが作品に盛り込まれている時もありますが、現代も近しい出来事は変わらず起こっていて、読んでいても「古さ」を感じません。もしかしたら、手塚治虫はこれを「古い」と思える未来を想像していたのかもしれませんね。

ブラック・ジャックはなぜか紙で読みたくなる。また、漫喫こもって読み漁ろ~。

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